2012年09月21日

ロッキー


無名の若者たちの、なんとか這い上がりたい、メジャーになりたいという欲望と情熱がこの映画を
成功に導いたのだと思う。

30才になってもロクな役が貰えないS・スタローンは、ひたすら脚本を書いては製作会社に持ち込む
焦燥の日々を送っていた。
そんなある日、テレビで観たC・ウェップナーと世界チャンピオン・モハメド・アリの試合に感動し、
3日で本作を書き上げる。

出演させなければ脚本を売らない、とプロデューサーに詰め寄り、ついに主役の座を射止める。
監督はポルノ映画出身のジョン・G・アヴィルドセン、殆どのスタッフ・キャストが無名の若者だった。
全篇ロケ撮影となったのは、低予算でセットを組めなかったためだ。
クライマックスシーンの試合会場のエキストラとして、ホームレス達をフライドチキン1個を餌に
かき集めた。
しかし、いつ暴動が起きるか分からないので、撮影に時間をかける訳にいかない。
だんだん腫れ上がっていくスタローンの顔をメイクしている余裕はない。
悩んだ挙句、15ラウンドから撮り始めることにした。つまりメイクを徐々に剥がしていくことで、
時間を短縮するというものだった。見事にこのアイデアは功を奏し、映画は完成した。

そして、作品賞を含む3部門でオスカーを獲得する。
まさに無名の若者たちが、ロッキーが逃した‘勝利’を手にした瞬間だった。

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posted by @せ at 14:45| Comment(0) | 映画だっ! | 更新情報をチェックする

アイの館


姉が藍の染・織りをやっていて、『藍の館』に作品を置いてもらっている。
以前、妻とその辺の話をしていると、
「伯母さんはあんな所に品物を卸しているのか!」と三男がびっくりしたように叫んだ。
理由を聞いてみると、ウチの近くに『愛の館』という大人のオモチャ専門店があって、
それと勘違いしたらしい。
今朝その店の前を自転車で走りながら、思い出し笑いをしてしまった。


posted by @せ at 12:32| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

視線を‘抜く’ということ

限られた空間をいかに広く見せるかということに、いつも腐心している。
その際に使う手法が、‘抜け’というものである。
壁を作らず、視線が‘抜ける’ことで想像以上の拡がりを獲得することが出来る。


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駐車場の向こう側を庭園とすることで視線を‘抜き’、また自然光によって奥が明るくなるので、さらに拡がりが生まれる。

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駐車場の奥を路地に開放することで視線を‘抜い’ている。また風も流れる。

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大会議室の開口部を全開にすると中庭と一体になり、円形の天窓から大空へと視線を誘導する。

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密集市街地に建つ店舗の、2階に設けた中庭廻りをガラス張りとすることで、狭さを克服している。

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玄関を開けると、ガラスに囲まれた中庭越しに居間が見える。視線を遠くまで通すことで、限られた空間を広く見せる。

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2階にLDKを設けた都市型住宅で、階段を上がって振り向くと奥にテラスがある。対角線方向に視線を
‘抜く’ことでより広さを獲得する。


posted by @せ at 18:12| Comment(0) | 建築設計あれこれ | 更新情報をチェックする