2012年10月31日

私のお気に入り  世界の名建築篇 その1 

『落水荘』

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フランク・ロイド・ライトはル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと『近代建築の三大巨匠』と
呼ばれる。
幼い頃に母親の英才教育によって、その天才的な造形力を身につけたと言われている。
若くして売れっ子建築家となり名声をものにしていたが、40過ぎの頃に妻子を捨てて施主の奥さんである
チェニー夫人とヨーロッパへの駆け落ちを決行する。
2年後に帰国するが、そのスキャンダルによって仕事は激減し、さらに追い討ちをかけるように事件が起きる。気の狂れた使用人がチェニー夫人と子供、弟子達を斧で惨殺し、自ら服毒自殺をしたのだ。
失意のうちに日本で帝国ホテルの設計に携わるが、最後まで見届けずに帰国してしまう。

そんな後半生の中で生み出されたのが、世界建築史に燦然と輝く『落水荘』である。
その時はすでに60代後半となっていた。
施主は滝の見える場所に建てたいと思っていたが、ライトは滝の上を選ぶ。
岩盤がそのまま室内に露出するが、それがかえって野趣味のある面白い空間を創り出している。
外観はバルコニーなどの水平要素を白のペンキ塗りとして、壁の垂直要素を石張りとした。
このように要素を分節化することで、自然の中で凛とした風格を演出している。
まさに建築の矜持を見る思いである。




posted by @せ at 22:34| Comment(0) | 建築設計あれこれ | 更新情報をチェックする

2012年10月30日

どんでん返しの名画たち その7

『殺しのドレス』
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A・ヒチコックを敬愛してやまないブライアン・デ・パルマが、『サイコ』のオマージュとして撮った作品である。全篇、ヒチコックを彷彿とさせる場面が次々と流れ、ファンとしては堪らない興奮を覚える。

ある中年女性が、美術館で知り合った行きずりの男と彼のアパートで情事に耽る。
何気なく開けた引き出しから、男が性病であることを診断した書類が出てくる。
逃げるように部屋を出ていく彼女。
だが指輪を忘れたことに気付き慌ててエレベータに乗り込むが、扉が開いた瞬間彼女は何者かにナイフで
惨殺される。

このようにショッキングな出だしで始まり、ラストはどんでん返しで終わる。
ブライアン・デ・パルマは出来・不出来が極端な監督で、これは結構いい出来だと思う。
『アンタッチャブル』のような大作ではないが、氏のセンスの良さが存分に発揮された作品である。

posted by @せ at 21:14| Comment(0) | 映画だっ! | 更新情報をチェックする

2012年10月29日

園子温

‘そのしおん’と読む。今をときめく日本映画界の寵児である。
『冷たい熱帯魚』『恋の罪』『ヒミズ』と立て続けにDVDを観た。
一言で言うなら、どうしようもなく重く陰湿で、不快な映画である。
だが、暫く経つともう一度観たくなってしまうのだ。

前2作は実際にあった事件を題材に、暴力・セックス・殺人が横行する。
『ヒミズ』は東日本大震災後の東北を舞台に、父を殺す中学生の話である。
どれも色調は暗く、監督の心象風景を映し出しているようにさえ思える。

そして、俳優たちが輝いている。特に
『冷たい熱帯魚』のでんでん、『恋の罪』の冨樫 真、『ヒミズ』の 染谷将太と 二階堂ふみ。
どういう演出をするのか、覗いてみたい気持ちにかられる。

時代の断面をどう切り取るか、作家によって様々である。
周防正行は実際の事件を念入りに調査し、忠実に脚本化するという方法論をとっているように思う。
園子温もそれを元に創作するが、もはや原型をとどめてはいない。
彼の創り出すものは悪意と毒に満ちた一篇の詩である。

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