2012年10月29日

終の信託

周防正行監督最新作『終の信託』を観てきた。
前作『それでも僕はやってない』から、ついに社会派になってしまった。
クロサワといい、巨匠と言われるようになるとこういう作品を作りたくなるのだろうか。
『ファンシーダンス』では現代っ子とお寺、『シコふんじゃった』は若者と相撲、
『Shall we ダンス?』はサラリーマンと社交ダンスという、ミスマッチの生み出す軋轢とズレを巧みに笑いと感動に昇華させていた。
モダンで軽妙洒脱な若き才能の出現に拍手を送ったものだが、『それでも・・・』と今回の作品はそれらとは全く無縁の世界が広がるばかりだ。
監督お得意の念入りな取材に基づく現代的なテーマを扱っているにも拘らず、他人事の域を出ず感情移入もしかねるのは何故だろうか。

『Shall we ダンス?』を観た後、この監督はどこまでの高みに僕たちを連れて行ってくれるのかと期待をしたが、どうやら別の電車に乗ってしまったみたいだ。
誰かもう一度かつての路線に連れ戻してはくれないだろうか。

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2012年10月24日

第3の男


高校2年生のある朝、クラスメートのI君が
「昨夜の『第3の男』観た?ラストがとても良かった!」と興奮した様子で叫んでいた。
オレはすでに2回観てるぞ、と優越感を持ちながらその声を聞いていた。

オーソン・ウェルズは最初出演オファーを断ったのだが、たまたま遊びに行った遊園地でロケに出くわし、
とても楽しそうなので出演を承諾したというエピソードが残っている。

また、有名になり過ぎた感のあるラストシーンは、製作者セルズニックのアイデアだそうで、G・グリーン
の原作も脚本もこうではなかった。
現場で急遽決めたことが、映画史に燦然と輝く名シーンになった。

この作品は『光と影の映像美』と称えられるが、僕は『光と影と陰の映像美』だと思っている。
ウィーンの古い街の壁に映るO・ウェルズの‘影’と、彼が登場する時の顔の‘陰’がとても印象的である。

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壁に映るハリー(O・ウェルズ)の影。

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暗いところから徐々に顔が現れ、陰が印象に残るハリーの登場シーン。

posted by @せ at 21:27| Comment(0) | 映画だっ! | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

人形浄瑠璃街道


あわぎんホールで開催された「人形浄瑠璃街道」シンポジウムに行ってきた。
講演、パネルディスカッション、淡路人形座による公演というプログラム。
それぞれ内容豊かで、パネル討論での三林京子さんが面白かった。
そして淡路人形座の完成度の高さに圧倒されてしまった。
以前より浄瑠璃に興味はあったのだが、こりゃ困った。のめり込みそう。

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posted by @せ at 22:43| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする