『カップマルタンの休暇小屋』ル・コルビュジェ設計

南仏の海の見える小高い丘に建てられた、わずか8畳ほどの建物である。
トイレと小さなベッド、机があるだけの質素な空間である。食事は隣のレストランでとっていた。
慎重に計算されて穿たれた窓から海が見える。
この茶室のように極限まで無駄を排除した仕事部屋が、自宅を持たなかった彼の終の棲家となった。
ここで世界中の都市と建築を構想していたに違いない。
だが78歳の時、前の海で海水浴中に心臓発作で死去する。
こんな仕事部屋を欲しいと思うが、いまだ実現できずにいる。