まさにフランス映画人の心意気を感じる。
パントマイム役者のバチスト(J・L・バロー)はある日、大道芸の助手をしていたガランス(アルレッティ)
に一目惚れする。同じ頃、駆け出し俳優のルメートル(P・ブラッスール)も彼女に心を奪われる。
これに悪党詩人や伯爵が絡んでくる。
バチストとガランスの純愛がテーマだが、ストーリーが面白いので観ているうちにだんだんと引き込まれていく。
十代の終わりから二十代にかけて、1930~40年頃のフランス映画に傾倒していた。
そのきっかけになったのが本作だ。
たしか、NHK教育テレビで日曜日の夜に放映していたと思う。
最初はそのテンポの遅さに辟易したが、暫くするとそれが心地良くなっていく。気がつくとハマっていた。
このあと『舞踏会の手帖』・『女だけの都』・『ミモザ館』・『大いなる幻影』『望郷』『パリ祭』などの
作品に出会い、さらに深みにハマっていくことになる。

寺山修二は自分の劇団名をここから拝借している。