2012年09月05日

階段噺

怪談噺じゃなくて階段の話。

住宅の設計は何が難しいですか、と聞かれることがある。
全てですよ、簡単なことなど何ひとつ無いですよ、と答えることにしている。
でもその中でも特に何が、と食い下がってくる方には ‘階段’ と答えている。
階段の位置と形式が決まるとほぼプランニングは終わったと言ってもいい。
それくらい、重要な要素である。
では良い位置と形式は何か。それにはケースバイケースとしか答えられない。
100軒の家には100通りの階段があると考えている。

形式には、直・折れ曲がり・くの字・らせん階段等がある。
位置については、以前にも『子供部屋を考える』で書いたが、上階にそれらがある場合は
居間等の親の目のある場所に設けるようにしている。個室化を防ぐためである。

上階への昇降のためだけの空間だとしたら、階段はつまらない。
最近は他の機能を付加することで、より豊かなものに出来ないか考えている。
それが家全体の魅力アップにもつながると思う。

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ご主人は階段を昇らずに壁を登って2階に行く。

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3.2m高の居間天井いっぱいに本棚があり、それに沿って階段を設けた。
踏板に座って本が読める。寝そべって(ちょっと痛いけど)漫画も。
昇降のためだけの階段はつまらない。

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壁に様々な大きさのニッチ(くぼみ)を設けた。大きなものには壁付きのオーディオセットを置く。
本、CD、人形などをを置く小さめのニッチもある。階段で音楽を聴くことも、本を読むことも出来る。

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直階段を居間の真ん中に設け、その下を子供達の勉強コーナーに利用している。
階段下はよくデッドスペースになる。それを解消せんがための策。
キッチンがすぐ横にあるので、お母さんは料理をしながら子供たちに勉強を教えられる。

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らせん階段、この形式が最もコンパクトに納まる。
東に面しているので、子供達は朝日を浴びながら朝食へと下りていく。

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女性の一人住まいで、今ではらせん階段にお花が所狭しとならんでいる。
コンクリートの壁にはマチスの版画のレプリカが飾ってあり、昇降の際にいろんな角度から
眺めることが出来る。


posted by @せ at 11:14| Comment(0) | 住宅設計あれこれ | 更新情報をチェックする
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