2012年10月29日

園子温

‘そのしおん’と読む。今をときめく日本映画界の寵児である。
『冷たい熱帯魚』『恋の罪』『ヒミズ』と立て続けにDVDを観た。
一言で言うなら、どうしようもなく重く陰湿で、不快な映画である。
だが、暫く経つともう一度観たくなってしまうのだ。

前2作は実際にあった事件を題材に、暴力・セックス・殺人が横行する。
『ヒミズ』は東日本大震災後の東北を舞台に、父を殺す中学生の話である。
どれも色調は暗く、監督の心象風景を映し出しているようにさえ思える。

そして、俳優たちが輝いている。特に
『冷たい熱帯魚』のでんでん、『恋の罪』の冨樫 真、『ヒミズ』の 染谷将太と 二階堂ふみ。
どういう演出をするのか、覗いてみたい気持ちにかられる。

時代の断面をどう切り取るか、作家によって様々である。
周防正行は実際の事件を念入りに調査し、忠実に脚本化するという方法論をとっているように思う。
園子温もそれを元に創作するが、もはや原型をとどめてはいない。
彼の創り出すものは悪意と毒に満ちた一篇の詩である。

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posted by @せ at 22:28| Comment(0) | 映画だっ! | 更新情報をチェックする
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