『グラン・ブルー』等の出演で有名なロザンナ・アークエットの初監督作品である。
題名から分かるように、超売れっ子でありながら突然引退表明をしたD・ウィンガーにその真意を探るという趣旨であるが、それだけに留まらず話はいろんな方向へ拡散していく。
構成としては、仕事と家庭の両立という女性にとっては永遠のテーマを、ハリウッドの女優たちへの
インタビューを通して掘り下げていく。
育児の大変さ、夫との生活、仕事に対する不安、いつまで出演依頼が来るかという焦り、監督や製作者との確執、他の女優に対する憧れや嫉妬等が説得力を持って描かれていく。
R・アークエットという女優だからこそ撮れたドキュメンタリーだ。彼女の前ではそれぞれが悩みや葛藤を
素直に吐露しているように見える。
ウーピー・ゴールドバーグの破天荒な面白さ、シャロン・ストーンのケイト・ブランシェットに対する評価、
D・ウィンガーの凛とした生き方、そしてジェーン・フォンダの演技論等が飽きることなく語られる。
女性ならずとも十分堪能出来る秀作である。
