
ライトの弟子であった土浦亀城は3年のアメリカ修行の後、帰国していくつかの住宅を設計している。
その中でも傑作とされているのが自邸である。
昭和10年に建てられたとは信じ難いほどのモダンさである。
中2階にちょっとした書斎スペースを設けているが、モダニズムの洗礼を受けていないとこういう設計にはならない。
このお家に小さい頃に出入りしていたのが慎文彦氏で、この空間体験をもとに京都国立近代美術館を設計している。これはご本人が語っていたことなので間違いはない。
60年近い歳月を経て、住宅作品が美術館へと変異したのである。

京都国立近代美術館1階ロビー