
正直この作品を未だ観ていない。チャンスは何度もあったのだが、その気にならなかった。
チャップリンは身体のみで、人間の喜怒哀楽を完璧に表現出来た。
僕の映画体験の中で、ベストワンにあたる『街の灯』は無声映画にも拘らず、たまらなく饒舌だった。
だが、トーキーによって実際の‘言葉’を手にした途端、その表現力は落ちていったように思う。
『独裁者』で徐々に失望を覚え始め、『殺人狂時代』で完全なものになってしまった。
『ライムライト』で多少は持ち直したが・・・。
チャップリンはピカソと並ぶ20世紀最高の芸術家だと思う。
もう彼のような、神に選ばれた表現者は出ないのだろうか。

映画史に残る『街の灯』のラストシーン。