別れた男が入らないよう、女が泣きながら背中でドアを押し返しすというような映画のシーンに
よく出会う。
このように、欧米ではプライバシーを守るために内開きが多いようだ。
日本では、扉をどちらに開けるかはその部屋の用途に関係してくる。
玄関扉の場合だと、内開きにすると玄関が狭いので靴を引き摺る可能性がある。
また雨仕舞いという観点からも、外開きが多い。
一般室の場合は内開きでも構わないが、最近のバリアフリーの観点からすれば、
引戸が良いだろう。
内開きの場合、手前に体をかわす空間がなければ一度下がって開く動作に入る。
これがお年寄りには苦痛を伴うことになる。
便所の扉は引戸か、外開き、または引込み戸になる。
もし中で倒れるとドアを開けることが出来ないので内開きは止めた方が良い。
扉のデザインはコストにも関係し、また空間の質も左右するので、扉の開け方は総合的に
考えることが必要だ。

正面の引戸の奥は土間になっていて、玄関から庭へと通じている。
外開きの便所。

引込み戸の便所。扉の真ん中が折れるようになっていて、スペースをとらないで済む。

ユーティリティの扉を引戸とした。