2012年11月14日

私のお気に入り  世界の名建築篇 その5

『サヴォア邸』
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近代建築の三巨匠の一人であるル・コルビュジエの設計で、20世紀最高の住宅とされている。
ピロティ、屋上庭園・・・・・等、近代建築の五原則が高い完成度で実現されている。
だが、この住宅を傑作たらしめているのはそのプロポーションだと、僕は思う。
階高がもっと高ければ、無骨になっている。
柱がもう少し太ければ、デザインは台無しになっている。
フランスは地震が少ないので、これほど細い柱でも構造は成立する。垂直荷重だけを受け持てば良いからだ。もしこれと同じデザインを日本でやろうとすると、ふた回り以上太くなる。そうするとプロポーションは完全に破綻する。それほど繊細なものである。

閑話休題
地球が温暖化していると最初に言い出したのはNASAの研究員で、フランスがこの説を全世界に広めた。
化石燃料がこの原因であるが、原子力は二酸化炭素を放出しない。
この理論が、当時重要産業として原発を輸出しようとしていた国策に合致したのだ。
フランスのように、地震の殆ど無い国だからこその政策である。
そして、これに原発を推進したい国々が飛びついた。
日本のように地震が頻発する国までも乗ってしまった。
つまり地球温暖化防止キャンペーンと原発推進はセットなのである。
僕が若い頃は、地球は氷河期に向かっているとされていた。
農作物に重大な影響を及ぼす寒冷化の方が、温暖化よりはるかに深刻なのだが・・・。

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O4-House サヴォア邸に多大な影響を受けて設計した住宅。





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2012年11月07日

私のお気に入り  世界の名建築篇 その4

土浦亀城自邸

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ライトの弟子であった土浦亀城は3年のアメリカ修行の後、帰国していくつかの住宅を設計している。
その中でも傑作とされているのが自邸である。
昭和10年に建てられたとは信じ難いほどのモダンさである。
中2階にちょっとした書斎スペースを設けているが、モダニズムの洗礼を受けていないとこういう設計にはならない。

このお家に小さい頃に出入りしていたのが慎文彦氏で、この空間体験をもとに京都国立近代美術館を設計している。これはご本人が語っていたことなので間違いはない。
60年近い歳月を経て、住宅作品が美術館へと変異したのである。

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京都国立近代美術館1階ロビー


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2012年11月04日

私のお気に入り  世界の名建築篇 その3

『ファンズワース邸』

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『バルセロナパビリオン』の設計者である、ミース・ファン・デル・ローエの作品である。
シカゴ郊外に週末住宅として建てられ、近代建築の傑作の一つとされている。

施主は独身の女医さんで、ミースに恋心を抱いていたらしい。彼は熱心にこの仕事に取り組んだ。
現場にも足繁く通い、鉄骨の納まりやディテールを丹念に研究した。
彼女はてっきり自分に好意を持って、最高の家を造ろうとしているのだと思っていた。
だが、高層ビルの設計を請け負っていたミースはその下準備のために、この家で実験をしていたのだ。

それを知った彼女は、全面ガラス張りによるプライバシーの露出と予算の超過を理由に訴訟を起こす。
可愛さ余って、憎さ百倍という奴か、結局裁判はミースの勝利で終わる。

このエピソードは様々なことを教えてくれる。

1.絶対に施主との間に恋愛感情を持ち込んではならない。また、そんな素振りを見せてもいけない。
2.建築家と施主は、先生と生徒の関係に似ている。先生にとって生徒はクラスの中の一人だが、
 生徒にとって先生は一人しかいない。ここにギャップが生じる。
 だから、建築家はその施主のために全力でぶつからねばならない。または、そういう態度を見せ続けねば
 ならない。
3.住宅はなるべくガラス張りにしないこと。プライバシーも問題であるが、何といっても日本の夏は暑い。
 温室になってしまう。
4.予算を超過してはならない。
5.女医さんには気をつけろ、特に独身の。



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