2013年03月23日

まともな小噺その1


二匹のヘビが、散歩に出かけていた。
「オレたち、毒もってるの?」
「もちろんさ。」
「オレたち、本当に毒もってるの?」
「ああ。オレたちは世界の中で一番の猛毒をもったヘビなんだぜ。 なんでまたそんなこと訊くんだい?」
「うん・・・ちょっと舌を噛んじゃってさぁ。」


「なあ。きみは患者に恋したことがあるか?」
「ああ。医者だって恋はする。たまたま相手が患者だったというだけさ。」
「・・・そうか。そうだよな。患者に恋したっていいんだよな!」
「そうだよ。もしかしてお前!」
「うん・・・。立場上、許されない恋かと悩んだこともあったけど、お前の話を聞いて安心した。
 恋の炎は誰にも消せやしない!」
「でも、お前は獣医だろ。」



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2013年03月20日

『流血の魔術』


図書館でミスター高橋の書いた『流血の魔術』という10年以上前に出版されたプロレスの内幕を描いた本を読んだ。
プロレスはショーだと分かっていたけど、そこまでやるのかと、少なからず衝撃を受けた。
マッチメーカーとレフリーによって、全ての試合は操作されていたらしい。猪木がハルク・ホーガンにアックスボンバーを浴びて、脳震盪を起こしたのも彼一流の演技だ。
今までガチンコの試合は小川VS橋本の第3戦だけだったそうだ。
学生だった頃、猪木・大木戦を観るためにデートを切り上げ、彼女とぎこちなくなったことがあった。
青春を返してほしいという感じですなぁ。

追記
鉄柱攻撃で額が割れて血まみれになるのは、レフリーが観客に見えない位置でカミソリを使って切るらしい。ミスター高橋はそれがすごくうまかったので、レスラーから多大な信頼を得ていたそうだ。

posted by @せ at 23:14| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年03月01日

明石海人


-深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない-

故・大島渚監督の追悼記事を読むと、必ずと言ってよい程この詩に出会う。
高校生の頃に出会い、座右の銘にしたそうだ。

作者は明石海人(かいじん)で、昭和初期の歌人である。
もともと教師であった彼は20代中頃にハンセン病を患い妻子、社会から隔離される。
そんな絶望的な状況の中、歌を詠み始め歌集「白猫」を発表するが、37歳で死去する。
妻子と別れる際に詠んだとされるのが

-鉄橋へかかる車室のとどろきに憚(はばか)らず呼ぶ妻子がその名は-

こんな壮絶な歌人をつい最近まで知らなかった。
若い頃にもっと文学に親しんでおればと、慙愧の思いにかられてしまう。

posted by @せ at 22:30| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする