二匹のヘビが、散歩に出かけていた。
「オレたち、毒もってるの?」
「もちろんさ。」
「オレたち、本当に毒もってるの?」
「ああ。オレたちは世界の中で一番の猛毒をもったヘビなんだぜ。 なんでまたそんなこと訊くんだい?」
「うん・・・ちょっと舌を噛んじゃってさぁ。」
「なあ。きみは患者に恋したことがあるか?」
「ああ。医者だって恋はする。たまたま相手が患者だったというだけさ。」
「・・・そうか。そうだよな。患者に恋したっていいんだよな!」
「そうだよ。もしかしてお前!」
「うん・・・。立場上、許されない恋かと悩んだこともあったけど、お前の話を聞いて安心した。
恋の炎は誰にも消せやしない!」
「でも、お前は獣医だろ。」